スマート農業実践について
2015年よりスタートしたキャベツ大規模栽培ですが、その規模拡大に伴い農地は広島県内各地、5市(庄原市、三次市、安芸高田市、福山市、尾道市:因島)に広がり、限られた人員ですべての農地を管理することに限界が見えてきました。
人員の確保のほか、作業時間の短縮や、より効率的な経営システムを作り上げる必要がありました。そこで、農林水産省の「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」により、2019年からは「広島型キャベツ100ha経営スマート農業実証コンソーシアム」による2年間の実証圃場としての事業がスタートしました。
この事業では、キャベツの大規模栽培の経営モデルを確立するため、県立広島大学,庄原商工会議所,広島県など15団体でコンソーシアムグループを組みました。弊社が実証圃場となり、様々なスマート農業機械や栽培管理システムを導入し、その効果を実証するものです。
育苗管理から、農地の見回り、収穫作業など、あらゆる作業にかかる時間の短縮を目指しました。
2022年時点では、全スタッフ(パート含む)50名で120ha以上の農地を管理しています。
これからの日本の農業に新たな農業経営の形を提案するものと期待されています。
QRコードを用いた
育苗管理システム
「ZAICO」を活用し、種をまいた後の苗を育てる育苗箱に、1枚ずつQRコードを配布し、栽培記録を管理しています。QRコードを読み取れば、種を蒔いた日付などが確認できます。畑に植え替えるのはいつ頃かを把握でき、家や事務所にいながら作業の計画が立てることができます。
ドローンによる
農地の見回りと農薬散布
農業でドローンの活用といえば、農薬散布を思い浮かべる方も多いですが、弊社ではそれだけでなく、農場の見回りや生育確認もドローンで行うことがあります。特に現在ではドローンで撮影した画像から葉の枚数や重さ、収穫量の自動予測技術の確立のための研究に協力を行っております。
中国四国地方で初導入した
全自動収穫機
従来の収穫方法は、包丁を持って畑に入り、キャベツの根元を切り、大きな外葉を捨てながら収穫していくというものでした。現在でも、畑の条件によってはそのように収穫していますが、積極的に全自動収穫機の導入も行っております。この機械を使用することで、社員が包丁で手を切ってしまう危険性が減り、少ない人数での収穫作業が可能になりました。
リアルタイムで収量のわかるコンバイン
キャベツの裏作として栽培している、もち麦を収穫するコンバインには、収穫量を農地ごとに自動で記録できる機能があります。さらに、収穫しながらでも収量、水分を測定、リアルタイム表示されるため、農地ごとのその年の生産状況や土の状態を知るための情報となります。収穫作業が1人で出来るほか、収穫スピードも格段に上がりました。
スマートフォンから
その日の作業情報を入力
営農支援ツール「アグリノート」を使用し、作業記録の管理を行っています。作業員は農地から、作業内容や作業時間、使用した資材などをスマートフォンで入力します。アグリノートアプリからは昨年度の収穫量や、いつどの農薬を散布したかなど、すべての農地の情報が集められ、いつでも記録を振り返り、一目で農地の状態を確認することができます。
栽培データ管理には
「アグリノート」を活用
アグリノートに集められた情報は、専門オペレーターが管理をしています。作業の進捗状況や過去の作業データを確認し、畑から離れた場所でも農地の状況を知ることができます。またその情報をもとに、現場スタッフと相談し次の作業を判断します。